昔ながらの建材として知られているトタンは、今でも多くの建物に使われています。トタン壁といえば錆びやすいという印象を持っている人も多いのではないでしょうか？しかしトタン壁は塗装をしっかりと施すことで錆の発生を抑え、耐用年数を伸ばすことが可能です。本記事では、トタン壁の塗り替え目安となる劣化症状とDIYで塗装する際に気をつけるポイント、塗装業者に依頼するメリットを解説します。
トタン壁の特徴とは？
トタンは薄い鉄の板に亜鉛メッキを施したものです。100年以上前から使われている建材で、現在も古い建物の外壁や屋根で見る機会があります。薄くて軽いため、建物に負担をかけにくいというメリットがあり、安価であるのも特徴です。亜鉛のメッキ加工により通常の鉄板より錆びにくいものの、適切にメンテナンスをしないと劣化が早まります。とくに塗装の塗り替えは定期的に行わないと塗料による保護効果がなくなり、錆や損傷が目立つようになります。
こんな症状が出たらトタン壁の再塗装をしよう
トタンはしっかりとメンテナンスすることで、10～20年ほどは持つといわれています。トタン壁の耐用年数を伸ばすためにも、つぎのような症状が発生した場合は早めに塗装の塗り替えを行いましょう。再塗装のサインといえる主な症状を紹介します。
錆の発生
塗料は長期間紫外線や風雨にさらされることで劣化し、徐々に防水効果を失っていきます。塗料の効果がなくなると、亜鉛メッキで防錆加工を施しているトタン壁も劣化が早まり、水分に触れることで錆が発生しやすくなります。錆が見られるようになったら塗り替えのサインといえるでしょう。
チョーキング現象や色褪せ
トタン壁を触った時に手が白くなる、粉のようなものがつくという現象も塗料の劣化症状です。紫外線を長期間受け続けると塗料に含まれる油分が失われ、顔料だけが残ります。顔料だけになった塗料は簡単に剥がれ、手についてしまうのがチョーキングという現象です。また、雨によっても塗料は流されるため、トタン壁が色褪せたりまだらになったりと見た目にも影響が出ます。
塗膜剥がれ・膨れ
外気の寒暖差によって、トタン壁は膨張と収縮を繰り返します。その影響で起こるのが、塗膜の剥がれや膨れです。塗膜の剥がれや膨れは放置しておくとそこから雨水などが侵入し、錆や破損の原因となるため、早めの再塗装が必要です。
トタン壁の塗装はDIYできる？塗装の注意点とは？
塗装の費用を抑えたくてDIYを検討する人もいるでしょう。トタン壁を自分で塗装することは可能であるものの、次で紹介するポイントに気をつけてください。
塗装前にケレン作業を怠らない
トタン壁の塗装をするなら、ケレン作業が必須です。ケレン作業とは、現在塗ってある古い塗膜を除去し、目荒らしをする下地処理です。そうすることで下塗り材の密着度が増し、剥がれにくくなります。ケレン作業には手工具のワイヤーケレンや電動工具のサンダーケレンがあると便利です。錆や汚れが残らないように、しっかりと除去しましょう
下塗りで錆止めを塗る
トタン壁は錆が大敵であるため、下塗りに必ず錆止めを塗る必要があります。この工程を行うことでトタン壁に水分が付着するのを防ぎ、錆の発生を抑えます。
上塗りは2回行う
上塗り作業は2回行うことで、下塗りで施した錆止めを紫外線から保護する効果もあります。また、上塗りを2回行うことで耐久性も向上します。
トタン壁の塗装にはどんな塗料を選ぶべき？
トタン壁の下塗りには、錆止め効果のあるものを使うべきと解説しました。上塗りの塗料の場合は、耐久性の高い油性の塗料がおすすめです。油性塗料は水性塗料よりも耐久性に優れており、紫外線や風雨からのダメージを抑える効果があります。また、水性塗料よりもツヤがあり汚れが付きにくく、美観を保つのにも効果的です。耐用年数の長いシリコン塗料なら、8～15年ほどは再塗装が不要とされているため長持ちします。トタンは熱伝導率が高く、暑い時期は室内が高温になりがちです。そこで上塗りに遮熱効果のある塗料を選ぶと室内温度の上昇を抑え、過ごしやすい環境を目指せます。
トタン壁の塗装は業者に依頼するのがおすすめ
トタン壁の塗装はDIYでも可能ではあるものの、塗料や作業工程に詳しくないと失敗する可能性もあります。自分の知識や技術に自信がないのであれば、やはり塗装業者に依頼すべきです。2階以上の外壁を塗装する場合は高所であるため危険を伴い、素人ではケガをする恐れもあります。万が一DIYで失敗してしまうと、その失敗した塗装の除去まで業者にお願いすることになり、余計に費用がかかることにもなります。始めから業者に塗装を依頼すれば、塗装会社によっては数年の保証やアフターサービスも可能です。塗装した後のことも考えると、業者に塗装してもらうのが一番安心でしょう。
まとめ
トタン壁の塗膜に劣化を感じたり、錆が気になったりし始めたら塗り替えが必要なサインです。放置しないで適切に対処しましょう。塗装をしないで放っておくと錆だけでなく、やがて変形や穴が開くことにもなります。そうなると塗り替えではなくトタン自体の張り替えが必要になるため、コストや手間がかかることになります。定期的なメンテナンスは信頼できる業者に依頼することで、失敗のない美しい仕上がりを維持できるでしょう。
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