長い間同じ家に住んでいると、壁や屋根のメンテナンスが必要になってきます。また、スレートの屋根や壁で家を建てた場合、メンテナンスが必要と言われていますが、どんなメンテナンスが必要かわからないという人もいるでしょう。本記事では、スレートの壁を使用した家のメンテナンスについて解説します。
スレートの壁にはどんなものがあるのか？
スレートとは、一定の間隔で溝がある波状の外壁材のことです。粘板岩と呼ばれる素材を板状に薄くして、屋根に使われたことをきっかけに、外壁に多く使われるようになりました。スレートの壁は、粘板岩を使用した天然スレートの他に、セメントや繊維などの素材を混ぜ合わせた人工スレートが使用されています。また、スレートの壁の種類として、大波スレートと小波スレートが主流となって使用されています。大波スレートは、燃えない外壁の素材として、火気や熱で動かす機械を扱う工場や、建設現場でも使用されているのです。
また、防熱や遮音の面でも優れており、強度が高く耐用年数も20年程度、素材によっては40年近く使用できることも特徴といえます。一般的な住宅に多く使われている外壁材の小波スレートは、以前は屋根にも使われていましたが、現在では外壁にのみ使用されることがほとんどです。
スレートの壁のメリット・デメリットは？
現在でも、外壁に使われているスレートを住宅に導入する際のメリット、デメリットについてご紹介します。
スレートを外壁で使うメリット
スレートを外壁に使用するメリットとして、「コストが安い」「耐震性がある」「防火や遮音機能が高い」「改修工事がしやすい」が挙げられます。スレートは、高価な素材を使用している場合以外は、基本的にセメントや繊維など、比較的安価な素材にて作られています。そのため、費用をかけずに導入しやすいのが特徴です。また、スレートの構造や素材の特徴から、耐震性や防火性・遮音機能が高いので、騒音などの対策にもなります。スレートの壁材は、メンテナンスがしやすいのも特徴です。改修や張り替えが必要になった場合、部分的に張り替えが可能なので、改修工事に費用や期間を必要としないことも魅力の一つといえるでしょう。
スレートを外壁で使うデメリット
スレートで外壁を使うデメリットとして、「破損しやすい」「撥水性が低い」「カビやコケなどがつきやすい」が挙げられます。繊維などスレートの材料となっている素材は、強度や耐久性があまり高くなく、劣化もしやすいのです。工場や建設現場で用いられる大波スレートは耐久性があります。
しかし、一般の住宅で使用される小波スレートは耐久性があまりありません。セメントや繊維などの素材を波状にして使用しているので、表面にカビやコケ、くぼみの部分に汚れなどがつきやすいのです。また、撥水性が低いため、導入する際には塗装が必要不可欠となってきます。上記の理由から、外壁にスレートを導入する際には定期的なメンテナンスが必要です。
スレートの壁を導入する場合の注意点
コストが安い分、導入の際には十分にメンテナンスが必要なスレートについて、導入する際にどんなことに注意したらいいのかをご紹介します。
防水の塗装をおこなう
外壁にスレートを導入する際に一番注意したいのが、防水機能がないことです。防水の塗装をおこなわなかった場合、スレートの素材が吸水と乾燥を繰り返し、劣化を早める原因となります。そのため、塗装によって防水の機能をつける必要があります。
定期的にメンテナンスする
外壁にスレートを使用した場合、耐用年数は20年前後と言われています。しかし、防水加工を施しても、20年ずっと使い続けることは前提としていないので、定期的なメンテナンスや補修が必要です。部分補修や再塗装などをおこなう前提で、導入を検討しましょう。
スレートの強度と費用のバランスを考えて導入する
スレートは、比較的安いコストで導入できるのが魅力です。しかし、強度のある素材を選ぶとコストが嵩んでしまいます。また、スレートの厚みを上げても同様に強度とコストが上がっていきます。メンテナンスが必要なことも踏まえて、導入する場合のコストを考えることが重要です。目的や使用する外壁の場所によって、必要な強度とコストのバランスを調整する必要があるでしょう。
まとめ
スレートはコストが安く人気のある素材です。しかし、撥水性が乏しかったり、カビが付きやすかったりと、デメリットも存在します。そのため、導入する際には、注意や工夫が必要です。定期的なメンテナンスや、防水対策を行うなどスレートのデメリットを補う工夫を凝らしましょう。
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